サクッとわかるビジネス教養 お金の基本/杉山敏啓

 

 

 以前『サクッとわかるビジネス教養 アドラー心理学』を紹介しましたが、『サクッとわかるビジネス教養』ということでシリーズ化しているらしく、この本を手に取ってみました。

 

 『お金の基本』ということで、おそらく新人ビジネスパーソンや就職を控えた大学生くらいの年代をターゲットとしていると思われるのですが、最初読んでて、こういう『サクッとわかるビジネス教養』を銘打った、多少“意識高い系”もしくはそれを気取ったような人たちが手に取るようなモンなのか!?と訝しんだのですが、読み進めているうちにちょっと考えが変わってきました。

 

 というのも、取り扱われているトピックの各テーマにおける記載内容というのは、ホントにごくごく基本的なモノで、かつお金や金利、投資などといったテーマのさわりを説明されている感じで、各テーマだけを考えるとモノ足りないかもしれないのですが、それが就職してから相続を考えるという一連のライフステージにおけるお金について考えるべきことをくまなく取り上げられていて、そういう若い年代からお金についてライフプランを考えておくことを促すということで、かなり意義深いモノとなっているような気がします。

 

 今の若い人はもっと意識が高いんでしょうけど、ワタクシの年代などでは、勧められるままに保険に入ったり、給与明細もロクに観なかったなど、かなり雑でしたし、老後のお金のことなんて考える余地もなかったので、死ぬまでのお金について考えることは非常に重要な示唆だと思えます。

 

 国家を挙げて投資を促すような転換を図るのであれば、教育のカリキュラムにこういうモノを取り込むべきだと思うのですが…