学校がウソくさい/藤原和博

 

 

 リクルートを退社後、民間出身初の都立中学の校長として和田中学校の校長になられてから、長らく教育の携わられてきた藤原和博さんが教育の改革について語られます。

 

 堀江貴文さんが『すべての教育は「洗脳」である』などの著書で「少種大量生産」の工業立国のための「ちゃんとした」人材を志向してきた日本の教育が、最早有効性を失っていることを指摘されていましたが、藤原さんもこの本の中で昨今の日本の教育が、授業が理解できない「落ちこぼれ」と、あまりに授業がカンタン過ぎてつまらない「府吹きこぼれ」という二極分化の「ふたこぶらくだ」状態に陥っていると指摘されています。

 

 その原因の一つとして、今なお日本の学校教育の大半を占めている、先生から生徒への一斉授業にあるとおっしゃっており、これを生徒の習熟レベルに応じたきめ細やかな対応をしていく必要があると指摘されています。

 

 デキる子は、ネット活用で、自分で勉強して、何なら学校に来る必要もないとすらおっしゃられており、習熟が遅れた生徒には教員を志す学生をインターンとして活用するなどで、寄り添った対応を推奨されています。

 

 それにしても、グローバル人材の育成を志向(しているフリを!?)しながら、生徒にはおとなしくセンセイのいうことを聞きなさい!という矛盾を押し付けているところに、日本全体の教育行政の迷走が見て取れるところで、改革をマジメに考えているのか!?と訝しくなってしまいそうな状況に、日本のさらなる没落が予感されて暗いキモチにさせられてしまいます…