恋愛の日本史/本郷和人

 

 

 本郷センセイが日本史における恋愛を語られるということなのですが、センセイ自身あまりこのジャンルのトピックは得意ではなさそうな空気をアリアリと出されていて、今年大河ドラマ『光る君に』が紫式部がメインキャストだということで、持ち込まれた企画なんでしょうね!?

 

 『源氏物語』の舞台となる平安貴族の性愛だけではなく、日本は古来から民俗学における研究成果にもみられるように、かなり性的にオープンというかおおらかだったというのは否定しようがないということで、多くの地方で祭りの時などはフリーセックス状態だった事例があるということです。

 

 本郷センセイは苦手意識からか、そういう方向にダイレクトにあまり行こうとせずに、女性の権威とか地位みたいなモノを語られたりして、必ずしもタイトルに忠実だというワケではないのですが、最終章で平塚らいてうら、明治から昭和に至る女性解放運動家の女性たちが、結構性的に奔放だったのは、江戸時代以降虐げられてきた女性が、唯一同じ土俵で男性と張り合えたのが性愛の世界だったというところが言い得て妙で、伏し目がちに語られている本郷センセイが目に浮かぶようで微笑ましく思えます…(笑)